はじめに

先日、ソフトバンク社主催の企業力向上セミナーに参加してきました。本セミナーでは、

  • ITを活用した働き方改革
  • クラウドを活用した業務効率化
  • 電力小売り自由化について

の3つのテーマについて、それぞれご講演をいただきました。

今回は1つ目の「ITを活用した働き方改革」についてまとめております。

BPRとRPA

BPR(Business Process Reengineering)という言葉があります。直訳すると「業務の流れの再設計」。企業のビジネスプロセスの抜本的な改革を意味します。部分最適を追求するあまり、全体から見ると非効率になってしまった業務等について、全体最適化を図ります。小規模事業者様の場合、「部分とか全体とか言うほど大規模なことはしていないよ」ということで、あまり関係のない言葉かもしれません。

これに加え、近年注目されつつあるのがRPA(Robotic Process Automation)です(私は本セミナーで初めてこの言葉を知りました)。

BPRは全体の流れの最適化(経営的な視点)であるのに対し、RPAは具体的な作業の効率化(現場的な視点)ということになります。そして本セミナーは後者のRPAを活用した働き方改革について、でした。

RPAとAI

現場作業は定型業務と非定型業務に分けられますが、このうちRPAは定型業務の効率化を担います。非定型業務の効率化については、近年話題のAIが担っていく、ということになりますが、それが浸透していくのはもう少し先の話でしょう。

RPAでできること

本セミナーでは、このRPAについて、適宜動画を交えながらの説明をいただきました。私の直感的な印象を一言で言うと、エクセルのマクロを他のソフトウェア全体に広げた感じです。それでいてエクセルマクロよりも簡単らしいです。

エクセルのマクロはスクリプト(=プログラム文)上で命令を書くこともできますが、クリックや文字入力など自らの操作を通じて覚えさせることもできます。あれと同様のことがRPAでも可能だそうです。つまり、プログラム言語の知識は必要ありません(=ノンプログラミング)。

具体例として、見積書を作成するときに、

  1. 定型的に送られてくる注文書から商品番号や注文数を抜き出し、
  2. 見積書作成ソフトに代入し、
  3. それを印刷出力する

というような一連の作業を自動化できます。これにより、単純に人間が同じ作業を行った場合と比べて業務スピードが上がります。セミナー中の実例では通常15分かかる作業が数秒で完結するようになったという例が紹介されていました。また、自動化により人為的なミスがなくなる(品質があがる)ことも利点です。これらの効果により、コストダウンが実現できます。

留意点

現場主導で行う改善作業のため、時間的な開発コストがかかります。これもセミナー中の実例を紹介しますが、とある会社様では改善検討した事案の半分以上がボツになったそうです。それでも採用された改善案によるコスト削減を含めた改善効果は開発コストを遥かに上回っているとのことでした。

ただ、やはり人数の少ない職場ほど、この効果は下がってしまうことは否めないかもしれません。RPA導入によって効率化できそうな自社内の業務を洗い出しつつ、全体として開発コスト以上のリターンがありそうかどうか、見極めていく必要があるでしょう。

個人的に気になったのは、不測の事態で通信回線が切断されてしまった場合や、PCが一時的にビジー状態になったときにどうなるのか。質問してみたところ、そのような場合はエラーを返すそうです。これらの状態を察知して対応できたら、それはもうAIという気もしますが。何かしらの膨大な作業を任せて外出するには少し勇気がいるのかな。そんな印象を持ちました。

まとめ

今後、各企業とも定型業務のみならず非定型業務に至るまで、ますますIT化の影響を受けていくものと思われます。

まずは自社で効率化できそうな定型業務があるかどうか、改めて見直す価値はあると思います。意外とRPAを導入するまでもなく、エクセルの関数・数式で工夫すれば簡略化できる分析作業や、自動クリックツールなどで代替できる単純作業などがあるかもしれません。